ディズニーシーのイタリアンレストラン、リストランテ・ディ・カナレットに行ってきました。
ここはパークの中で一番好きなレストランです。
と思ってはいるんだけど、ここ10年くらいはパークに年数回来るだけのエンジョイ勢を気取っていたので、訪問はかなりお久しぶり。
エンジョイ勢はテーブルサービスでゆっくり食事したりしないし、そもそも1か月前に予約しないといけないという事実に1か月前に気付けない。
今回は気付いたので来ました。
目次
メディテレーニアンハーバー:リストランテ・ディ・カナレット
まるで貴族の邸宅のようなイタリアンレストラン
運河沿いにある趣のあるレストランで、窯焼きピッツァやパスタをワインやビールとともにお楽しみください。お店の名前はヴェネツィアの風景を描いた画家カナレットにちなんだもので、繊細な彼の作品が店内の壁を美しく彩ります。
ディズニーシーのイタリアエリアには3つのイタリア料理店があります。
その中でも一番高級なのがこちらのカナレット。
ロケーション
メディテレーニアンハーバーから運河の橋を渡ってすぐ左手、アメリカに足を踏み入れるか踏み入れないかの場所に位置する。
まさに「まるで貴族の邸宅のような」入り口の奥
ヴェネチアエリアの一角、運河沿いにあります。
システムと店内
プライオリティ・シーティング対象レストラン。
空きがあれば入れることもあるらしいけど、基本は予約が必須といっていいでしょう。
非常に人気があるため、なかなか希望の時間を取るのは難しい。
人気の理由は運河を臨むテラス席。
ベネチアの街並の中で食事ができるこのテラス席は、パークの全レストランの中でも一番のロケーションと言えるかもしれません。
ぱっと見、一番右の建物だけがカナレットに見えますが、写ってる範囲全部カナレットだし、入ってないけど写真左の先にもまだテラス席は続いてます。
店内も高級リストランテらしく、きらびやかでありながらセンスよくまとまっていて素敵。
石窯でピザを焼いている様子も見られます。
テラス席に座るには
予約の際に席の希望は受け付けていません。
案内される際にキャストさんからテラスの希望を聞かれます。
満席時は「絶対店内」「絶対テラス」「空いた方から」の3択になります。
この日はテラスを希望すると
「この時間、日差しが非常にまぶしいですがいいですか?」
と聞かれました。
「はい」と答えると、
「これから暗くなってくるとコバエが寄ってきますがいいですか?」
「本当にたくさん来るんですけど大丈夫ですか」
と、確認に確認を重ねてきます。
「いいえ」と答えるまで永遠にループするあれかと思いましたが、「はい」を選択して無事テラス席に案内してもらえました。
テラス席の雰囲気
案内された席は一番入り口に近い席でした。
眩し~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!
忠告を無視した結果がこれです。
今更コースを変えようったって間に合わねえぜ。
骸骨の声が聴こえます。
しばらく全ての写真に光線が写り込みました。
しかしやっぱりこの景色は最高ですね。
4月の快晴の日で気候もちょうどよく、まさにテラス日和。
目の前をゴンドラが行き交います。
こちらにとってはゴンドラのゲストはアトラクションの一部であり、ゴンドラのゲストにとってはこちらがアトラクションの一部である。
ゴンドラを覗くとき、ゴンドラもまたこちらを覗いているのだ。
メニュー紹介
メニューは公式サイトで見られます。
現地でも紙のメニュー表はないので、スマホでQRコードを読み取ってサイトのメニューを見る形。
今回はアラカルトでオーダー。
季節のイベントセットもありましたが、コース料理はありませんでした。
ナストロアズーロ
イタリアビール、ペローニ・ナストロアズーロ。
苦みがほとんどなく、ほのかに甘みを感じるすっきりとした味わい。
キリっとしたビールが好きな方は物足りないかも。
スパイシーとかフルーティーみたいな特徴は特に感じられませんでしたが、私は軽いビールも好きなのでありでした。
ピザにもよく合います。
ピッツァ・マルゲリータ
カナレットといえば薄焼きのピッツァがおいしかったという記憶が強いんですが、今回は故郷ネアポリスのシンプルなマルゲリータが食べたいっていう気分だったのでこちらをチョイス。
こちらはきちんとナポリ風の耳が膨らんだタイプで、ほかの2種類は薄焼き。
トマトソースにバジルにモッツァレラチーズ、間違いなし。
間違っているのは私の故郷はネアポリスじゃなくて千葉だったということくらい。
驚くほどペロリと平らげました。
イカ墨のタリオリーニ、イカとムール貝とルッコラのトマトソース
魚介のうまみたっぷりのトマトソースパスタ。
緑色のはバジルソースかと思ったけど、これがルッコラなんですかね。味の変化も楽しめます。
イカ墨の入った真っ黒なパスタはタリオリーニという2~3㎜幅の平打ち麺。
これがちょっとやわらかめ。
ミッレリーゲ、ベジタブルのトマトソース
彩り豊かで見た目も美しい一品。
こちらはシンプルにトマトを味わうトマトソース。
ズッキーニや茄子やらパプリカやらがたっぷりのっていて、野菜だけでもしっかり食べごたえがあります。
くるみが入っているのも高評価。
パスタはミッレリーゲというショートパスタ。
簡単に言うとペンネよりちょっと太めで先が尖ってないやつ。
それってリガトーニと何が違うの?と気になったので調べてみたんですけど、
リガトーニ=ミッレリーゲ
ぽいです。
フィットチーネとタリアテッレみたいに地域で名前が違うものなのかどうかは分からず。
直径10㎜を超えたらミッレリーゲみたいな説もありました。
ロングパスタは直径で細かく分類されてるのにリガトーニは8~15㎜ってめちゃめちゃ幅あるから、区別するための呼び名なのかもしれません。
「このリガトーニおいしいなあ!」
「いやそれ正確にはミッレリーゲだから」
っていうめんどくさい人、イタリア人にもいるんだろうなあ。
こちらは歯ごたえもしっかりあっておいしい。
このパスタに魚介のトマトソースを絡めて食べたい。
帰る頃には日も落ちてきて、火山を直視できるようになりました。
この席からの夕暮れ~夜の景色も最高だろうなぁ。
次はそんなタイミングを楽しみたいけど、席も時間も狙って取れるものじゃないからだいぶ高難易度。
あと多分コバエも多い。
景色も料理も大満足でやっぱりカナレットは好きだな〜と確認できました。
これからは胸を張ってカナレットが一番好きと言っていこう。
残念だったのはカルパッチョがメニューになかったこと。
カルパッチョじゃなくてもいいんだけど、アンティパストに魅力が感じられず何も頼まなかったのは残念ポイントでした。
高級リストランテの「ふり」をしなくなったカナレット
カルパッチョは個人的な趣向の話だけど、「フルコースとメイン料理がない」ということには些か驚きました。
前菜は「前菜」でパスタやピッツァは「メインディッシュ」でデザートは「ドルチェ」で、なんで3言語も使ってるんだっていうのはさておいて、現在のカナレットでは肉料理や魚料理といったいわゆるメイン料理が置かれてないんですね。
時期によってはイベントメニューでコースもあったりするようですが、アラカルトに魚料理とかはなさそう。
テーブルセットも以前は布ナプキンとシルバーがテーブルに並んでる、いわば高級店のスタイルでしたが、今は籠にシルバーがまとめて入ってる大衆食堂スタイル。
高級なリストランテはいつのまにかやめていたらしい。
それでいったら「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」も大衆食堂だけど「トラットリア」でも「オステリア」でもなく「リストランテ」名乗ってるから、カナレットも本質的に「リストランテ」である必要がないといえばないのだけど…
それでもカナレットには高級リストランテの「ふり」をしていてほしかった。
北齋のときにも書いたけど、ここはあくまでもテーマパーク。
異常なほど手は込んでいるけど「本物」にはなれないし、なる必要もない。
カナレットだって、本当にヴェネツィアの中心や銀座の真ん中でやっていけるリストランテである必要はない。
それでもカナレットってテーマパークの使命として「高級リストランテ然とする」ことを一生懸命やってるイメージだったし、行く方も気軽に「そういう店の雰囲気」を味わえるという点では非常にテーマパークらしいレストランでいいと思っていた。
それはSSコロンビアやマゼランズも同様だろうし、テディルーズヴェルトラウンジは豪華客船内のバーのふりをしているし、パンギャラクティックピザポートは銀河展開のピザチェーンのふりをしている。
それがテーマパークのレストランだし、そのふりをありえないくらい本気でやってるのがディズニーパークのはず。
だから現状のフルコースがない、「スピードメニュー」みたいな前菜しかない、魚料理肉料理がない、でもほら!ミッキーが乗ってるでしょ!パークって感じするよね!っていう状態は非常に残念。
メニューの縮小はコロナ禍の影響もあると思うので判断しにくい部分ではあるけど。
(クオリティ落ちたけどミッキー乗ってるでしょ!に関してはカナレットに関わらずコロナ前からいろんなレストランで起きてる現象ではあります)
って長々言ってはみたものの、個人的にはカナレットが「高級リストランテ」でなくても、実のところは全然構わない。
景色は最高だし、料理もおいしいんだから。
しかも「安くて本格派のイタリアン酒場」だったザンビーニブラザーズリストランテがただのファーストフード店のようになってしまった今、カナレットが「高いが本格派のイタリアン酒場」を担ってくれればそれでいいと思ってる。
だからカルパッチョ的なアンティパストと魚料理くらいは置いてほしい!!
よろしくどうぞ。