ディズニーシーで好きなフードはいくつもありますが、中でも一番好きなのはロストリバーデルタで売られているユカタンソーセージドッグです。
昔から変わらないスタイルで販売され続けていて、シーにおける安心の味でもあります。
そんなユカタンドッグ、あまりほかで見たことがない珍しい形をしたホットドッグです。
さらに「ユカタン」という地名がついてるから、
なんかユカタンに関係あるのかな~(たぶんないだろうけど)
中南米あたりで似たようなものが親しまれてたりすんのかな~(あんまりそのへんっぽいフードじゃないけど)
ってふんわりとぼんやりと追及するほどでもない疑問が以前からあったので、この機会にそこに迫ってみました。
◆この記事で分かりそうなこと
- ユカタンソーセージドッグはおいしい
- ユカタンドッグはデンマーク料理でフランス風
- ユカタンドッグ、房総名物になれ
その謎を解明すべく、我々はジャングルの奥地へと向かった。
ロストリバーデルタ:エクスペディション・イート
ジャングルの奥地にあるこの古びたトラックでユカタンドッグは提供されている。
なんでもこの地で調査をしていた考古学調査チームが乗り捨てていった車を現地の人が改装してお店にしたらしい。
メニューはユカタンソーセージドッグ、ただひとつ。
価格は500円。
じわじわと値上げされていて昔よりは高くなったけど、今現在のパークの物価ではワンコインで買えるフードは非常に有難い存在である。
営業時間が17:30までならいい方で、たまにびっくりするくらい早く閉店してるから注意。
ジャングルの夜は早い。
そしてこれがユカタンソーセージドッグ。
フランスパンのような少し固めのパンにソーセージがぶっささってる。
ただそれだけ。
実にシンプルである。
ユカタンドッグはシンプルイズベストを具現化したおいしさ
中にケチャップとかマスタードとかバーベキューソースとか入ってるのを想像するかもしれない。
そんな野暮なことはしない。
パンとソーセージ。
それだけ。
ソーセージがスパイシーで味がしっかりしてるので、味はそれで充分。
一見固そうなパンも食べやすく、パリッとしたパンとスパイシーなソーセージは相性抜群。
ソーセージとシンプルな味が好きな私にとっては最高のバランスの一品です。
ときどき味が変わったとかパンが変わったみたいな話も聞くんだけど、自分も食べる度に久しぶりだからそのへんはよくわからない。
なんか違うかもしれないけど、いつだっておいしい。
ユカタンドッグはユカタン半島に由来するのか
しかし、ユカタンドッグってユカタン半島やその文化圏で食されているものなんだろうか。
多分違うだろうと思いつつ、なんとなく調べるというほどではなく検索してみたりしたけど、そのような話は見当たらない。
おそらくこのホットドッグとユカタン半島に関係はない。
ユカタンに由来するエリアで販売しているフードだから、その名が付いたというところだろう。
ユカタンドッグは房総ドッグなのか
ところで、この珍しい形のホットドッグのようなもの、他にも販売しているパークがある。
そのパークとは、千葉県船橋市にあるふなばしアンデルセン公園である。
何年か前になんかのテーマパークランキングでUSJを抑え3位にランクインしたことで話題となり、一躍有名な公園になった。私もそれで知った。
(ちなみに1位はTDL、2位はTDSである。船橋市民にだけアンケート取ったのか?)
※2015年トリップアドバイザーのテーマパークランキング
しかし、あんまり見たことのない形のホットドッグなのに、千葉県浦安市と千葉県船橋市、かなり近い場所で売られているのも不思議な話だ。
実はユカタン半島じゃなくて房総半島の名産品なの?
もしかしてユカタンドッグじゃなくて房総ドッグなんじゃない?
ってことは当然ないんだけど、アンデルセン公園で販売されているものの方から由来が探れるかもしれない。
私はアンデルセン公園に急行した…かったが、自らの足は使わずGoogle等の力を使うことにした。
文明は偉大だ。
ロストリバーデルタの考古学者たちだって、スマホがあれば活用するだろう。
ユカタンドッグはデンマーク料理だった
アンデルセン公園のボートハウスで販売されているユカタンドッグは「アンデルセンドッグ」という名前である。
これも「アンデルセン公園で出してるからアンデルセンドッグ」という、ユカタンドッグ同様のネーミングに見える。
アンデルセンドッグ 480円
ところが、それもそうではあるのだけど、実はここに由来のヒントはあった。
アンデルセンドッグの売り文句には
「デンマークスタイルのワンハンドドッグ」
の文字。
参考
しかもかつては「デンマークドッグ」として販売されていたらしい。
確かに、アンデルセンといえばデンマークだ。
そもそもなんで船橋の公園に「アンデルセン」の名がついているのかといえば、「人魚姫」や「マッチ売りの少女」などで知られる作家のアンデルセン出世の地であるデンマークのオーデンセ市と船橋市が姉妹都市だから、ということらしい。
だからホットドッグもデンマークスタイルを採用しているのだ。
パンの中央にソーセージをぶっさしたやつ、デンマークスタイルだったのか…
それってユカタンドッグじゃなくてデンマークドッグじゃん。
誰しもそんなふうに思うだろう。
早まるな。
結論を出すのはまだ早い。
ユカタンドッグはフランスドッグでした
調べを進めると、このドッグ、本場デンマークではフランクドッグと呼ばれていることが分かった。
ユカタンドッグ、フランクドッグでした。
え、フランク王国まで遡らないといけない?歴史疎いんだよなぁと思ったけど、その必要はなかった。
デンマーク語のフランク(Fransk)は英語でいえば「フレンチ」にあたる。
だからフランス風って意味だね。
フランスドッグじゃん。
ユカタンドッグはフランスドッグだった。
このソーセージがぶっささってるのがフランス風なのか、日本語であのパンを「フランスパン」と呼ぶように、あのパンだからフランス風なのかは分からない。
もしくは
もともとはフランスのクレープに似せてソーセージにパンを巻き付けていたものが変化してこうなった
みたいな変遷があったりするのか。
それは分からないが、ただとにかくデンマークではそう呼ばれているらしい。
デンマークにおいてどのくらいメジャーな食べ物なのかは分からないけど、須磨にあるデンマークホットドッグのお店では「フランクドッグ」として確かにメニューに並んでいる。
いろいろ見てるとデンマークではソースが何かしら入ってるのが普通みたいだから、ソースがないあの形はロストリバーデルタオリジナルなのかもしれない。
とにかく、
ユカタンソーセージドッグはデンマーク料理でフランスドッグだった。
フランス風ドッグはフランスにはない説
デンマークのフランス風ドッグ、案の定「この形のホットドッグはフランスにはない」という、「ナポリタン」や「ミラノ風ドリア」と同類である可能性も発見された。
でも、もしフランスにはないのにフランス風ドッグとしてデンマーク人が生産消費をしているのなら、これがユカタンドッグでも何ら問題はない。
何なら房総ドッグでも問題はない。
房総名物として東京ドイツ村とかマザー牧場とか鴨川シーワールドとかでも売ろう。
そしてどこか知らない国で「Boso Dog」と呼ばれればいい。
その由来を調べようとした知らない国の知らない人が、千葉からデンマーク、フランス、フランク王国、ユカタン半島、ロストリバーデルタと、終着地の分からない問いに頭を抱えてほしい。
そういえば、日本で「デニッシュ」と呼ばれているパンがありますよね。
「デニッシュ」は英語で「デンマークのパン」ってこと。
でもデンマークではデニッシュのことを「ウィーンのパン(ヴィエナブロー)」と呼んでいるらしい。
(日本のパン屋でも見かける、フランス語の「ヴィエノワズリー」も「ウィーンのパン」)
これ系では「ターキー」も有名ですが、世界中にこういう事例があるんでしょうね。
余談:ユカタン、デンマーク、フランスを超えてドイツへ
「フランク」という言葉、デンマークでは「フレンチ」の意味だそうですが、日本で「フランク」と聞いたらソーセージを思い浮かべると思うんですよ。
フランク=ソーセージという意味ではないんだけど、「フランクフルト」がソーセージの一種としてあって、その派生で「ポークフランク」とか「ビッグフランク」なんかが存在してる。
だから日本には「フランクドッグ」を含む名称の「いわゆる一般的なホットドッグ」が多数存在しており、デンマークのフランス風ドッグについて検索したいのに、フランクフルト由来のものばかり引っかかってしまう。
ユカタンでもデンマークでもフランスでもなくドイツである。
なんだっていうんだ。
しかし別ルートで結局ソーセージに戻るという因果は面白いな。
あと、Twitter調べではフランクフルトとアメリカンドッグを混同して「フランクドッグ」って言ってる人が相当数いるということが分かりました。
おつかれさまでした。
そろそろシーでユカタンドッグも食べたいし、アンデルセン公園でアンデルセンドッグも食べてみたいです!
ではまた!